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Posted by TI-DA at

2013年12月27日

念願の食堂車で夕食をとる~夜行列車乗り継ぎの旅3~

 19時45分になり、食堂車へと向かいます。北斗星の食堂車はフランス語で北斗七星を意味する「グランシャリオ」と名付けられています。


これは翌朝取った入り口の写真。残念ながらだいぶくたびれています。これは通常は見られず、その前に案内がつけられています。



さて食堂車に入ると、持参した食事券と引き換えに席に案内されます。ディナータイムは事前予約のみだそうです。食堂車内はこんな感じ。



この食堂車は昔の特急電車の食堂車から客車に改造されたものだそうです。製造は後で調べてみると昭和48年とのこと。昭和の後半までは在来線の昼の特急電車にも食堂車が付いていたんですね。

ちなみに客車の半分は厨房になっていて、こんな感じ。



見てると、コックさん1人と車内販売を兼ねたウェイター(ウェイトレス)2,3人で回している感じです。お客さんは私入れて4,5人。メニューはフランス料理にコース(7800円)か懐石御膳(5500円)の2種類で、予約時に選択します。事前のリサーチでは懐石御膳のほうがお得なんていう情報もありましたが、北斗星は初めてでもあり、メインのフランス料理をチョイスしました。

 テーブルに座ると、きちんとフランス料理用の準備とメニューの紙がありました。おしぼりが紙というのは残念ですが。



お酒にグラスワインの赤を頼み、暗闇の車窓を眺めていると、料理が出てきました。

 まずはオードブル。「帆立貝柱とサーモンのマリネ 紅白仕立て」



そして、魚料理。「ボタンエビと白身魚のワイン蒸し 赤ワイン風味のクリームソース」



パンもあります。



肉料理は「牛フィレ肉のソテー 大地の野菜添え マスタードソース」



ワインがなくなったので「木内梅酒」を注文しました。


走行中の列車はゆれるので、写真のぶれも多くなります。



食べているうちに列車は宇都宮へ到着です。


外は寒そうです。まあ厳冬期ですからね。これから北はもっと寒いのかもしれません。

宇都宮を出たころにデザートが出てきました。
「スペシャルガトーとグラスの盛り合わせ」


北海道の地図型はかわいらしいと言うか、懐かしいというか。


最後にコーヒーが出て終わりです。



料理のお味はまあこんなもんだろうというところでした。列車に乗って食べられるのだから、味にケチをつけるのはしたくないのですが、7800円という値段にしてはうーんですね。最近、雑誌の寝台列車特集で、「バブルのころにペンションで出ていた料理」なんていう評が出ていましたが、レトロな感じだと考えればよいのかもしれません、まあ味はともかく、列車に乗って食事するのは楽しいですが、車窓が見えない夜は魅力半減ですね。車窓を見ながら食べるのが食堂車の魅力だなと改めて思います。そういう意味では明日の朝食が楽しみです。

酒代の清算とキーホルダー、シャワーの券を買って、車内探検に出かけます。

4へ続く
  
タグ :鉄旅


Posted by さがるまーた at 18:00Comments(0)2013,1 夜行列車乗り継ぎの旅

2013年12月20日

個室の旅~夜行列車乗り継ぎの旅2~

 動き出して、今日の寝室、ソロへ入ります。ソロはJRの一人用個室の寝台名称です。「北斗星」のソロには上段と下段があり、私のソロは上段でした。



3段ほど階段を上がり、中へ入ります。



中は狭いのですが、自分だけの空間なのはありがたいです。中は小さいテーブルがあり、オーディオも付いていました。





オーディオをつけると、クラシックが流れました。ほかにもいくつか音楽が流れます。オーディオは一時期、JRの個室設備につけることが流行していました。上級のA寝台には映画などが見られる設備もつけられていましたが、最近は外されることも多くなりました。これだけipodなどの個人で見聞きできる設備を持てれば、こういう設備は必要ないんでしょうね。

検札に来た車掌から、カード型のカギをもらいました。食事の時間までしばらくの間、車窓を眺めます。混雑している通勤列車を見ながら、この旅について思いを巡らせます。


 この旅はひょんなことから実現したのでした。前年12月のある日、JR北海道のホームページで寝台列車の空き状況がわかるという情報を入手して(ちなみにJR東日本のホームページでは寝台列車の空き状況はわかりません)、試しにと調べてみたら、北斗星のソロが空いていました。実際はすぐに埋まるんだろうなあと思いながらも、みどりの窓口に行って取ってみたら、なんと取れてしまいました。それならば、乗るしかなかろうということで、ちょうど帰省の時期を合わせて乗ることにしました。

 「北斗星」号は、今は廃止された九州行の寝台列車とともに学生時代の私にとっては、本当に手の届かない憧れの列車でした。1988年青函トンネル開業とともに運行を開始した「北斗星」は豪華な設備と乗り換えせずに北海道へ行けるという便利を兼ね備えた、あの時最高の寝台列車でした。今から考えれば、あの時が日本の鉄道が最後に輝いた時だったのだと思います。あのあと、夜行列車はどんどん廃止され、JR各社は合理化をどんどん進め、旅情はどんどん失われていきました。それは時代の変化でもあるので、一概に悪いことでもないのですが、鉄道を使って日本中を旅してきたものとしてはさびしい限りです。

 でも、あのころの私は北斗星に乗る気はなかったのも事実です。まぶしくてバブルの象徴のような感じで、同じ上野発の夜行列車でも、急行「八甲田」や「津軽」を使って旅してました。座席に体を丸くして横になったのも、今では良い思い出です。それが、私が社会人になってお金を稼ぐようになったのもあるでしょうが、夜行列車がどんどんなくなっていき、もう指折で数えられるようになってしまいました。今乗らずに、いつ乗るのかという気持ちでチャンスがあれば乗ろうと思うようになったのでした。

 今は「ななつ星in九州」とか走っていて、これからJR各社は豪華なクルーズトレインとか作るといっていますが、おそらく乗ることはないのかもしれません。私は列車に乗ること自体も楽しみますが、やはり列車は移動の手段で、そこそこの料金で知らない場所へ連れて行ってくれることが私にとっての列車の楽しみなのだと思います。

そんなことを思っていると、そろそろ食事の時間です。食堂車へ向かうことにします。




3へ続く。
  
タグ :鉄旅


Posted by さがるまーた at 18:00Comments(0)2013,1 夜行列車乗り継ぎの旅

2013年12月18日

上野発の~夜行列車乗り継ぎの旅1~

 更新遅れてすみません。今回からしばらくは国内の旅を載せます。



 年あけのある日、私は上野駅の地上ホーム13番線にいました。目の前には憧れだった寝台特急「北斗星」。何回となく、ホームから眺めることがありましたが、今日は乗ることができるのでした。18時45分に推進運転で入線してきた北斗星はたくさんの人たちのカメラに囲まれていました。



この光景は私が小さいころから恒例の光景ですが、かつては数え切れないほどこの駅を発車していた夜行列車も、この北斗星を含め3本しかなくなってしまい、夜行列車の命脈は風前のともしびになっていました。さっそく私も撮影の列に加わります。人を入れずに取るのは難しいですね。こんな感じになってしまいました。



発車時間まであと10分なので、急いで編成全部を見回ります。観光客に人気の寝台特急ですが、編成は昔からの車両を使っていることもあって、まだ寝台列車が移動の手段に使用されていた頃の良き時代の雰囲気が残っています。



発車前の食堂車。この雰囲気が憧れでした。




かつては多くの列車に食堂車が連結されていました。私が鉄道に乗り始めるようになったころには食堂車はだいぶ減っていましたが、まだ東海道新幹線のひかり号にはありましたし、東京発九州方面の寝台列車にも数多く連結されていました。でも貧乏学生だった私はそういうものとは縁がなく、もっぱら鈍行や急行列車に乗っていたので、ほとんど食堂車を味わうことがなかったように思います。いまから考えると残念でなりません。




「北斗星」の車両には随所にこういうエンブレムが付いてます。これも学生の頃は憧れでした。ただ、近づいて見てみると、だいぶ傷んでいますね。走り始めて25年の年月は大きいようです。ちなみに539というマークの文字は青函トンネルの長さ53、9キロメートル(本当は53、85キロメートル)に由来するそうで、あの時代の希望と栄光を感じます。



ようやく先頭の機関車まで来ました。



機関車はEF510形500番台。以前と違って、機関車が必要な客車列車がほとんどなくなったにも関わらず、新しい機関車を作ったJR東日本はすごいですね。残念ながら、このあと、半分以上の機関車はJR貨物に売られ、この504号車も貨物列車を引くことになりましたが、それは別の話。機関車の横には寝台列車らしい塗装になっていました。



ホームの先端には国鉄の時代から使われているらしい古い感じの看板がありました。



いつの時代も鉄道は少年カメラマンの心をとらえるのですね。
もう時間がありません。足早に車内に入ります。


19時03分「北斗星」号はゆっくりと上野駅を出発しました。客車列車がゴトっと動く瞬間は、わくわくする瞬間です。

2へ続く。
  
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Posted by さがるまーた at 22:10Comments(1)2013,1 夜行列車乗り継ぎの旅

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