冬の地球岬を訪ねて~夜行列車乗り継ぎの旅8~

さがるまーた

2014年01月31日 18:00

 この日は札幌一泊なので、あと半日自由に使えます。持っている切符は周遊きっぷの「札幌・道南ゾーン券」だったので、道南のJRは乗り放題。切符を有効利用しようと、久しぶりに室蘭に行くことにしました。

 北海道関連の書籍が充実していて見飽きない駅近くの紀伊国屋書店で時間をつぶし、札幌駅へ。12時22分発のスーパー北斗12号で東室蘭に向かいます。



まだ年末年始の終わりころの影響か、自由席は混んでおり、何とか1席見つけて座ることができました。定時で出たスーパー北斗でしたが、通過するはずの白石駅で臨時停車。稚内からの特急「スーパー宗谷2号」を待ち合わせるとのこと。稚内を朝7時10分にでた列車は札幌に12時06分着に着くはずなので、通常ならば、悠々間に合うはずなのですが、雪の関係で遅れたらしく、両列車とも通過のはずの白石駅で乗り換え用に待ち合わせたようです。冬の北海道らしいといえばらしいですが、大変です。



頂上付近が雲に隠れた樽前山を見ているうちに、白老、登別を過ぎ、11分遅れで東室蘭駅に到着。ここから普通列車に乗り換え、室蘭駅へ。

室蘭は昔は北海道の石炭を運び出す港として栄えた町でしたが、胆振地方の中心を苫小牧に奪われつつあるなど、今は衰退しつつある町とか言われたりします。でもおおきな製鉄工場があり、まだまだ大きな町でもあります。学生の頃ここ室蘭と青森を結ぶ夜行フェリーがあり、宿代わりによく乗ったものですが今はなくなってしまいました。古びた感じと坂のある町の感じが好きで、好きな町の一つです。

新しくなった室蘭駅に着くと、気温は0度。日中でも0度は寒いものです。



まずは旧室蘭駅へ。学生の頃はまだ現役で駅として働いていましたが、今の室蘭駅が内陸に1キロほど短縮されて移転開業してしまったので、今は室蘭市の多目的ホールとして使用されています。準鉄道記念物に指定されていますが、線路やホームの無い駅舎はただの建物でしかないのが残念です。


観光案内所が入っていたので、ためしに地球岬行きのバス時間を聞いてみると、すぐ来るということなので、駅舎内の観光もそこそこに、地球岬団地行きのバスに乗ります。

乗ってしまえば6分で地球岬団地に到着。ここは地球岬団地なので、地球岬まで10分ほど歩いていきます。結構な上り坂なので汗かきながら登ります。振り返ってみると、室蘭湾にかかる白鳥大橋が見えました。



道路がところどころきれいに雪がないところがあり、ロードヒーティングが入っているようでした。坂道が続くので凍結してしまうと、車が登れなくなってしまうんでしょうね。

坂道を上りきると、海側に出ました。ここは室蘭八景のひとつ「金屏風」とのことで、ここで一息。



まだまだ登ります。結構歩いて地球岬に到着です。




振り返ると、結構な距離でした。写真の手前側の谷がバス停でしたが、右回りで大回りで上がってきたのでした。


地球岬はチキウ岬といい、「地球」は当て字で、もとはアイヌ語で断崖を意味する「チケプ」に由来するとのこと。ここは何回も来ていますが、いつきても眺めが美しいです。


そろそろ、冬の夕方近く。太陽の暮れ具合もいい感じです。でも観光客は私1人だけ。たまに観光客が来ますが、車で来て、さっとみてさっと帰ります。バスでわざわざ来て、じっくり見る観光客なんていうのはいないのでした。この寒さじゃ、当然といえば当然ですが。



帰りは室蘭駅から特急「すずらん7号」で札幌へ。



帰りは室蘭駅で購入した母恋駅の駅弁「母恋めし」を食べます。



中身はホッキ貝の炊き込みご飯のおにぎり2つと燻製卵とスモークチーズ、漬物とハッカ飴でした。なぜホッキ貝かと言えば、母恋の語源がアイヌ語で「ホッキ貝のたくさんある場所」だからだそうで、母恋という字はこれまた当て字とのこと。母の日に入場券が良く売れる母恋駅ですが、語源とは関係ないのが面白いです。北海道はこういう興味深い駅名が多くて好きですね。



 18時09分、2分遅れで札幌到着。「すずらん」はほぼ無傷でしたが、隣の列車は雪まみれになっていました。



遠くのホームには「旭山動物園号」が留まっていました。



一人で雪の中をさまよって飯を食べるのは面倒くさいので、地下街と北海道のコンビニ「セイコーマート」で夕食を買って、ホテルへ直行しました。
 


雪だらけの道に滑らないように気を付けながら、ホテルに着きました。
札幌で1泊。

9へ続く


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