グレイハウンドバスGX660便はパースへ向けて、所々で停車しながら走り続けます。夜中にも関わらず、ドライブインが開いているなど、どんどん都会に近づいているようです。
目が覚めたのは、夜が明けかけたOVERLANDER ROADHOUSEでした。
ここは西オーストラリアの観光地、シャークベイへの分岐点。計画段階ではここで降りてシャークベイへ行こうかと思ったのですが、見知らぬ街での早朝下車は難しく、結局パース直行にしてしまいました。ここで朝ご飯です。
腹ごなしに歩いてみると、ちょうど日が昇ってきました。
そろそろ出発です。全員降りているので学校の先生みたいに運転手が一人ずつ呼んでいきます。
バスは南へむけて走ります。低木しかなかった車窓に牧草地の緑が広がってきました。緑と空の青が目にしみます。
9時42分、GERALDTON NORTHのドライブインで休憩。ここからは青い海が見えました。いよいよパースに近づいてきた感じです。
10時頃、GERALDTON(ジェラルトン)の町へ入ってきました。ところが天候が急変。雨になりました。上の写真と20分くらいしか経ってないのですが。
10時07分ジェラルトンに到着。強い雨になりました。
この場所は依然列車の駅だったようでホームが残っています。
駅舎は博物館のようですね。地図を見ると、パースからここまで鉄道が伸びているようですが、これは貨物専用のようです。日本もそうですが、オーストラリアでも鉄道は一つの時代は終わったのかもしれません。
バスは走り続けます。雨だった空も上がり、また青い空が戻ってきました。白い砂も見えつつ、海の青さも目にしみます。
12時53分、最後の昼食休憩、有名観光地ピナクルズの近く、PINACLE COUNTRY CAFÉに到着。ミートパイらしきものとソーセージですませます。
13時35分出発です。車窓には風力発電機が見えました。たくさんのDVDを見ましたが、この時に見たピクサーのアニメ「カールじいさんの空飛ぶ家」はなんとなく印象に残るものでした。なにか心の中にさみしさが忍び寄ったのかもしれません。
パースに近づくにつれ、車窓はヨーロッパ的になってきました。
16時頃、パースまであと少しというところで車窓にはブドウ畑が見えてきました。ここはおそらくスワンバレー、パース郊外のワイナリーの集中する場所です。
いよいよ終点まではもう少し。
いよいよ町中に入ってきました。終点までもう少し。33時間乗り続けた充実感と一つの旅の終わりになる寂しさが入り混じりながら、車窓を眺めつづけます。
16時31分、定刻より9分はやく、イーストパースのバスセンターに到着しました。日本のようにバスがたくさんいるわけではなく、ここは乗り降りだけで終わりです。
滅多にしないことですが、私は運転手に感謝の気持ちとブルームから乗って来たことを告げ、握手を求めました。運転手も「Have a nice trip」と握手を返してくれました。そしてバスは去って行きました。
しばらく私でパースに吹く春の涼しい風に吹かれていました。