無くなるものへの惜別8「直江津駅での列車たち」~さよなら列車の旅in信越、会津8~

さがるまーた

2015年11月25日 18:00





「くびきの5号」は直江津駅に到着しました。新潟へ向かう列車を乗り捨て、北越急行線に乗り換えますが、その乗り継ぎの合間に直江津駅を散策します。

 直江津駅は信越本線と北陸本線の接続駅で昔からの鉄道の要衝でした。日本海縦貫線を走る貨物列車だけでなく、旅客列車もいろいろな列車がやってきます。

 「くびきの」号の向かい側に特急「はくたか」が入ってきました。



 「はくたか」は越後湯沢~金沢間を走る特急列車で、北陸新幹線開業後には廃止になるのですが、新幹線の愛称として残るので、逆に昇格する感じなんでしょうか?



ここ直江津はJRになってから、JR東日本とJR西日本の境界駅になりました。



谷浜方面の北陸本線だけはJR西日本の路線なのですが、この路線は新幹線開業後はえちごトキめき鉄道になってしまうので、この看板も見納めなのでしょうね。ちょうど、北陸本線の列車が発車するところだったので、撮影してみました。



国鉄時代からの車両413系でした。JR東日本に比べて財務状況の良くないであろうJR西日本は国鉄時代の車両を整備して使ってますね。普段乗る人にとっては古臭くていやでしょうが、旅行だけで乗る私個人的には古い車両は懐かしさを覚えてうれしいですね。


このホームの屋根と壁は冬の厳しさを思わせます。


このホームの端に面白いものを見つけました。この大きく書いてある「0」の数字はこの駅を基点とする起点とのことです。通常「0」がある駅は路線の始発駅しかなく、北陸本線の起点は滋賀県の米原駅、また北陸新幹線開業前の信越本線の起点は群馬県の高崎なので、この駅を起点とする路線はないのですが、説明板を見ると、信越本線では昔から高崎からの距離はこの直江津でいったん打ち切られ、ここ直江津から新潟まで新しい距離を測りなおしているそうです。線路の使用実態からいえば別々の路線なので、当然といえば当然ですが、全国的にはあまりないことなのでしょうね。理由としては明治時代に新潟県で初めて駅ができたのが、ここ直江津だそうで、ここから鉄道の敷設が始まったことと関係があるのでしょう。ちなみに昭和の初めまで東京~新潟を結ぶ主要な鉄道路線はこの信越本線しかなかったことも歴史にとどめておく必要があると思います。今のメインは高崎と長岡を結ぶ上越線(上越新幹線)ですが、この区間は谷川岳をはじめとする三国山脈を越える必要があり、昭和6年に清水トンネルが開業するまでは、この信越本線周りが東京~新潟へ行く主要な路線でした。


長野方面から普通列車がやってきました。右側の普通列車は新潟方面に向かう列車で車両のデザインが違いますね。


駅の改札口へ出てきました。各方面に向かう行き先が表示されています


駅前に出てきました。直江津駅の駅舎は日本のクルーズ客船だった「飛鳥」をモチーフにしたデザインだそうです。


ここで夕食にしようかと思ったのですが、駅前に入りたくなるような飲食店がなく、また雪で足元が濡れてしまったので、駅へ戻ろうとすると、驚きの列車が!


豪華寝台特急「トワイライトエクスプレス」でした。この日は運転日ではないはずなのですが、どうやら旅行会社貸し切りの団体専用列車のようです。
以前乗ったときはここで何本かの列車を通すために長く停車するはずなので、慌ててホームに戻ります。



いつもは乗るのがメインなので、こういう撮影はしないのですが、思わぬ拾い物で「トワイライトエクスプレス」を撮影することができました。3月の北陸新幹線開業のダイヤ改正と同時に廃止が決まっているので、もう会うのは最後かもしれません。

ホーム向かい側に特急「はくたか」が到着しました。


赤い塗装が目立つ北越急行の車両でした。この車両も北陸新幹線開業後は「はくたか」の廃止に伴い、JR西日本に譲渡されるそうで、この赤い塗装も見納めになるのでしょう。ここで乗務員が交代します。

「はくたか」を見送った後、まだ時間があったので「トワイライトエクスプレス」の編成を見回ります。


この明かりの色なんかが、高級感を出していますね。寝台列車はほとんどなくなっているので余計に、この雰囲気は貴重なものです。

最後部まで来たところで、列車が発車していきました。


テールマークが美しいですね。

これらの光景も、3月のダイヤ改正からは大きく変わってしまうのでしょうね。貨物列車は相変わらず走るのでしょうが、特急も少なくなり、寝台特急は走らなくなり、これだけあるホームも必要なくなるのかもしれません。この直江津駅自体もJRからえちごトキめき鉄道に運営を移管するそうで、以前なら考えられないことです。寂しいといえば寂しいですが、また新しい展開があるかもしれないので、楽しみでもあります。今後に期待したいところです。

そろそろ時間が来たので、北越急行の列車に乗り込みます。




9へ続く。

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