風に吹かれて旅をする

　2013年の年末、何年振りかに年末年始、実家に帰省してきました。いつもは年末年始に仕事ということも多いのですが、今年は運よく休みがつながったので帰省することにしました。


　今回の旅の初めはここから。


東京西部の分倍河原駅。ここは自宅から距離があるのですが、目的はこれ。




いまどき珍しい補充片道乗車券です。もうほとんどの駅で切符は機械で発券しているのにこの駅では制限付きながら、手書きで乗車券を発券してくれる駅です。なぜ機械発券にならないかというと、この駅がＪＲの駅でありながら、駅業務を京王電鉄に委託しているからでしょう。簡単に言えば、ＪＲの切符発券用のマルスを置いて、発券するほどの客がいないということなのでしょうね。機械を置けば、京王係員の教育も必要ですし委託料もかかるのでやむを得ないのでしょうが、そのおかげで今時では珍しい切符が手に入るわけです。

　駅の写真の右側の窓口は京王とＪＲの定期券発売窓口ですが、そこで乗車券も売ってくれます。乗車券を買いたいとお願いしたところ、「時間がかかりますがよいですか？」と聞かれ、もちろん了承。少し待って購入しました。行先も経由も運賃も手書きで珍しい切符を手に入れることができました。


その足で南武線に乗って立川へ。



この南武線はＪＲの中では地味な路線で、昔の山手線の車両のおさがり等が使われていましたが、ようやく今度新車が入るそうで、乗ってきたこの車両も乗りおさめかもしれません。

さて立川の本屋で時刻表を購入し、甲府までの自由席特急券も購入しました。今回は関西の実家に行くのに、ただ新幹線で直接行くのはつまらないので、甲府周りで静岡から新幹線に乗るつもりです。11時21分の特急「あずさ13号」の自由席の列は結構並んでいました。今日は年末の晦日。混んでいる時期に自由席で座るには始発駅から乗るのが鉄則ですが、今日はやむをえません。甲府までの約1時間立っていくつもりです。すると、駅のアナウンスが「ただ今、中央線武蔵小金井駅で人身事故が発生しました」と流れました。なかなかリアルタイムの人身事故に出会うことがないので驚きました。幸いというか、反対側上り線の事故だったので、下りの特急列車のみ、すぐに運転再開しましたが、14分前後の遅れで到着し発車です。

　幸い座れたのは幸運でしたが、今度は接続が気になります。通常の時刻だと甲府に12時30分着。甲府からの特急「ふじかわ8号」は12時41分発。通常ならば十分間に合うのですが、今の遅れだと、ぎりぎり間に合わない感じです。検札に来た車掌にふじかわ8号の指定券を見せて、乗れるかどうか確認したところ、今指令に問い合わせているので、あとでアナウンスするとのことでした。この列車を逃すと2時間待ちなので、乗れるようにと祈ります。

　「あずさ13号」はスピードを上げて、回復運転を行いつつ、甲府盆地へ入りましたが、約20分の遅れです。甲府駅到着の車内放送は無念にも「『ふじかわ8号』には接続しません。そのあと8分後の普通列車は待ちますのでお急ぎください」とのアナウンス。くそ！ＪＲ東海のアホ！と思いながら、普通列車には乗らず、窓口へ。2時間後の次のふじかわ10号に変更してもらいました。

　通常ならば10分程度の遅れならば、ＪＲの特急列車同士は接続待ちするものですが、ここは甲府駅。人身事故が起きて、「あずさ」が遅れたのはＪＲ東日本。「ふじかわ」を運転するのはＪＲ東海。ここはＪＲ会社間の境界なのでした。これから乗る身延線は単線のため、一度遅れれば、全線に遅れが波及し、「ふじかわ」も静岡での新幹線の接続が間に合わないかもしれません。ＪＲ東海にしてみれば、いわば他社の責任なのだから、自社が遅れの責任を背負うことはないのでしょう。でも昔の国鉄の時みたいに同じ会社だったらなと思ってしまったのでした。


　思わず2時間の余裕ができてしまったので、ここは災い転じて福となすで観光することにします。

2へ続く